ロシア出願関連
1.出願(特許取得)ルート
(1)パリルート
①ロシア特許庁への直接出願
②ユーラシア特許庁への出願(ユーラシア特許(ロシアを含む広域特許)として取得)
(2)PCTルート
①PCT出願⇒ロシアへの国内移行
②PCT出願⇒ユーラシア特許庁への国内移行(ユーラシア特許(ロシアを含む広域特許)として取得)
2.出願段階
(1)出願時の提出書類
- 願書
- 明細書
- 請求の範囲
- 要約
- 必要な図面
- 委任状(提出時期:出願日から2月以内)
- 優先権証明書(提出時期:優先日から16月以内)
(2)PCT出願からの移行手続き
①国内段階移行期限:優先日から31月以内
②提出書類
- ロシア語による翻訳文(ユーラシア特許庁に移行した場合は2月延長可能)
- 請求の範囲についてはPCT出願当初または19条補正後の翻訳文
(3)注意事項
- パリルートでロシア特許庁に直接出願をした場合には、「日本語」の明細書等の提出により出願することができるが、出願日から2月以内にロシア語による翻訳文を提出する必要がある。
- マルチ×マルチクレームは不可。
- ロシア特許庁およびユーラシア特許庁への手続は、在外者の場合、各庁に登録した弁理士のみが手続可能。
- ロシア特許庁の出願手数料はユーラシア特許庁の出願手数料よりも格安。
- WIPOへの加盟(2012年加盟予定)に伴い、(在外者であっても)内国民待遇により料金等が変更される。
3.出願後の各種手続き
(1)新規性調査
- 新規性の調査を請求することができる。新規性調査報告書が出願人に送付される。
(2)審査請求(実体審査)
- 出願日から3年以内に審査請求することができる。
- 出願人または第三者による請求が可能。
(3)拒絶理由対応
- 拒絶理由通知書の発行日から2月以内に意見書・補正書の提出が可能。
- 応答期間は請求により最大6月まで延長可能。
- 新規事項を追加しない範囲(実体としては要旨変更とならない範囲)で補正が認められる。
(4)不服申し立て
- 審査結果通知に対する応答が不十分であった場合や応答しなかった場合は拒絶査定となるが、拒絶査定通知書の発行日から6月以内に特許紛争院(審判室)に対して不服申し立てが可能。
(5)分割出願
- 出願人は、特許査定に至るまで、自発的に分割出願をすることができる。
<その他>
(1)出願公開制度
- 出願日から18月経過後に公開される。
- 早期公開制度あり。
(2)特許要件
- 産業上の利用可能性
- 新規性(世界公知)
- 進歩性
- 公序良俗
- 新規性喪失例外規定(6月のグレース・ピリオド)あり
(3)特許権
- 間接侵害の規定なし
- 実施権の設定可能。法定実施権および強制実施権もあり。
- 年金は毎年支払い。
(4)実用新案制度
- 進歩性は要件ではない。
- 実体審査なし。