国内優先権制度(特許法第41条)

[5] 国内優先権制度(特許法第41条)

(1) 制度の概要および趣旨

国内優先権制度は、先の出願に基づいて優先権主張をした後の出願の特許請求の範囲に記載された発明について、先の出願の特許請求の範囲、明細書または図面にも記載していた部分に優先権を認め、当該部分の特許性判断について先の出願の出願日に出願されたのと同等に取り扱うことを認める制度である。

特許出願をした後は、後述する補正の要件(特許法第17条の2第3項)により、出願当初の特許請求の範囲、明細書および図面に記載された事項の範囲内でしか補正が認められず、出願後に実施例を追加したり、新たな実施態様を説明する図面を追加したりすることはできない。また、これらの追加内容を基に別の出願した場合、自己の基本発明(先の出願)と実質的に同一であることを理由に拒絶される場合が多い。

そこで、特許法は、先の出願から1年以内に限り、これらの事項を追加した後の出願(優先権主張出願)を認め、包括的で漏れのない一連の発明の権利化を図ることを本制度により可能としている。

(2) 制度の利用態様

一般的に、国内優先権制度の典型的な利用の方法としては以下のようなものがある。

(ア) 実施例補充型
先の出願の特許請求の範囲の記載内容を当初の着想に基づいて広く記載したような場合、その後の実証等を通じて整備された実施例を先の出願に含めるものである。
(イ) 発明の単一性利用型
特許法第37条に規定する発明の単一性の要件を満たす発明を先の出願に含めるものである。
(ウ) 上位概念抽出型
下位概念で記載された幾つかの特許出願について、これらをまとめた広い概念の発明を出願する(上位概念化する)ものである。

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